【しゃちょーブログ 読書】 多方面から見る視野 -お金の流れでわかる世界の歴史-

 

さて、少し時間が空きましたが5回目かな?ブックカバーチャレンジとして記事を書くのは。

今回紹介する本は最近2周目を読み終えた本。『お金の流れでわかる世界の歴史』です。

滅びる組織の共通点

本書によると上手くいっている組織には共通点があるそう。それは税金(資本)が上手く確保できている時。

組織のトップは組織の内部の人のために方針を出し活動します。そのためには組織内から活動資源を集める必要があります。活動資源を受け取る代わりにそれに見合ったものを還元する。その循環を生み出すために国家は徴税システムを作ることになります。

徴税システムが上手く機能している時、国はそれを上手く還元することができます。しかし、最初は上手く機能している徴税システムも上手く機能しなくなるパターンがあります。それは徴税人(又の名を中間管理職という)がピンハネする時です。

古代の場合、税の徴収を徴税人が行っていました。国家はこの徴税人に権利を与えて税を徴収させていました。徴税システムが運用されてすぐの時はトップのイズムが中間管理職まで反映されていることが多いが、時間が経つにつれてルールだけが一人歩きして「徴税人はまったんから搾取ができる」と悪いことを考える人間が出てきます。

こうなってしまうと、末端は必要以上に搾取されてトップには活動資源が十分に入ってこない状況が起こります。結果的に国家は弱り、末端からの賛同の得られない足並みの揃わない組織となり衰退していきます。これが組織の衰退の共通パターンだそうです。

無理な発展も組織の衰退を招く

組織の上層部が発展を急いでも組織はバランスを崩します。

中世のイギリスは中間で私服を肥やす人間のエネルギーを国家の繁栄に活用しようとして海賊活動を国が容認し、隣国の船を襲っては上納させていたそうです。国内の資源ではなく、外部の資源に手を出します。大航海時代はヨーロッパの国がアメリカ大陸という自国以外の資源に手を出したことで起きました。

中世は世界は各国が競い合うようにジャイアニズムで世界を動かした時代でした。

しかし、この行き過ぎた国家の活動が国内の疲弊を招きます。

産業革命で石油の時代になったことで石炭大国のイギリスは国内から資源を徴収できず、海賊活動も成功しない状況になっていきます。財力を失ったヨーロッパの国から領土を買い戻してアメリカが独立することになりました(その後金山や石油でアメリカは力を持つようになります)。ナポレオンも税収がなく失脚することになります。

ジャイアニズムは周りの波を荒立て、その荒立てた波と対峙するために資源を確保し、またさらに大きな荒波を生む。

このように他国のものに手を出しても結局は自国の負担を増やす結果になります。そして、いつの時代も大きな負担を強いられるのは組織の末端です。

この場合も国家と国民の距離が遠くなって起こっていきます。

会社も同じ。ただし、、、

これらの共通点は企業の活動や個人の人生にも当てはまると思います。

ただし、お金の動き方的には逆になるパターンもあるかもしれません。例えば企業は社員から税の代わりに力を借ります。そして社員に報酬を払います。

無理な発展を図って国が国内の資源を枯渇させるように、会社も無理に発展させようとすれば社員を疲弊させる。

結果的に経営陣と社員の距離が遠くなり、内部でトラブルが頻発する。

反対に経営陣と社員の心理的な距離が近い会社はうまくいくと考えられます。

同じ分野のことを書いたいろんな本を読むということ

このようにこの本では歴史と経済のつながりが見えます。その間には組織論が見えます。

 

ビジネス書はある物事を著者の視点で眺める上で便利です。この本に関しては経済を歴史という視点で見ることができますが、これまで読んだ本で言うと、

『経済は感情で動く』(人間の感情からの視点)
『ヤバイ経済学』(統計学からの視点)
『経済を読み解くための宗教史』(宗教からの視点)

などの本を読んできました。経済の本じゃなくてもいいのですが、何かを対象にしていろんな視点から書いた本を読むことは面白いです。いろんな視点で物事を考えることにつながって、結果的に1つの事象に対していろんなアイディアが浮かぶようになる気がします。

やはり本を読んで考えるのは楽しいですね!今回も記事長くなってしまいましたが、ぜひ読んでみてください!今回はこの辺で!

音地 利亮

音地 利亮しゃちょー

投稿者の過去記事

音地家の次男。もともと理学療法士として病院勤務していたが2年で退職しブラジルへ行ったり、起業したりと自由奔放な生き方をしてきた。

そんな様々な経験を経営に活かしたり活かさなかったりしたいと思っている彼が代表になってしまった音地自動車は創業以来の危機なのかもしれない。

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